多くの人命を奪ってきた感染症

身体のデトックス

世界は今までも色々な病気と闘ってきました。
今まで見たこともない病気が出現した時には
常にパニックを伴う恐怖に苛まれていたに違いない。
現代のように医療が発達していても、
新しいウィルスにはお手上げ状態なのだから。
初めての対応を強いられ、模索して、
結果どの対応が良かったのかを検証していくことになるのでしょう。

定期的に人類を襲う伝染病・感染病は、人々に何を考えさせるために
発生するのでしょうか。

今回は、過去に多くの死者を出した伝染病を見てみましょう。

多くの命を奪った感染症

もともと土地土地にあった風土病を人々の移動により菌やウィルスを移動させました。
元の場所にあったときは、人々に免疫があったため、それほど危険な状態にはなりませんでした。が、今までその病気にかかったことがない人たちに感染すると、重篤な状態に陥ったり、時には死を招くこともあったのです。ゲルマン民族の大移動から、コロンブスの大航海時代、モンゴル遠征、十字軍などの移動時に病気の原因も運ばれました。

ペスト
天然痘
梅毒
インフルエンザ
ハンセン病 
デング熱
結核
マラリヤ
エボラ出血熱
インフルエンザ

ペスト

黒死病と呼ばれるこの病気は、ペスト菌が感染することによる伝染病で、60-90%もの致死率の恐るべき病気です。感染すると皮膚が内出血で濃い紫色になることから黒死病という名が付いています。14世紀の流行では、毛皮についたのみを介して中国からヨーロッパから全世界に伝播して、4.5億人だった世界の人口を1億人減らすほど猛威を振るいました。この時イタリア北部はほとんど全滅状態だったとのこと。ネズミを介して広まるほか、犬、猫にも感染します。ペスト菌は日本の北里柴三郎によって1894年に発見されました。

ペストは過去に何度もパンデミックを起こし、未だに根絶されていません。
古くは165-180年のローマ帝国で、350-700万人死亡したと言われています。
541-542年のユスティニアヌス帝東ローマ帝国での流行時は毎日1万人が死亡しました。

1377年にイタリアで海上検疫が開始されました。40日間検疫のために人や物を留め置く事をはじめたことから、イタリア語の40(quaranta)が英語の検疫(quarantine)の語源になっています。

医者たちも恐れをなして患者を救うことを諦め、逃げ出す人も多かったといいます。
患者と目を合わすだけで感染してしまうため、目を合わさないためのマスクを着用して
治療していたという文献が残っています。

このように多くの人がなくなり、なすすべがないと、人々の頭には、「神の怒りだ」「魔女の仕業だ」といった考えが浮かびます。
実際に、猫を飼う人が多かったユダヤ人の居住地域にネズミが少なく、ペストの感染が少ないことから、ユダヤ人が他の地域の井戸に毒を入れたという疑いの元、キリスト教会がユダヤ人虐殺をしたり、魔女狩りが行われたことも記録に残っています。

社会的な面から見ると、感染症の歴史の中で、封建社会が民主主義を生み出しました。
農民たちの地位向上が起こりました。

島国である日本にも1896年中国の船が横浜港に入ったときに持ち込まれ、その後何度かの流行を経験しましたが、現在は日本には患者はいません。

大流行の後、カミュによって書かれた「ペスト」も世の中の不条理を
私たちにグイッと突きつけて、深く考えさせてくれます。
最終的にはみんなが「ペストを他人に移さない紳士」になることが希望です。

天然痘

天然痘はウィルスによって人から人に感染する病気で、
とても感染力が強く、20世紀には3億人もの命を奪った病です。
リングという映画の中でもこの病気が出ていましたね。
潜伏期間は7ー17日と言われ、39ー41度の高熱が出ます。

遣唐使、遣隋使を介して日本に持ち込まれ、
最初の記録として残っているのは、552年の日本書紀というから
長いおつきあいをしている病気ですね。
743年には政治家や多くの人々の命を奪った天然痘の収束を記念して
奈良の大仏が建立されました。

天然痘をきっかけにして、農業が定着し、武士が農家を守るというシステムが
作られました。
エジプトでは、3000年前のラムセス5世のミイラから天然痘の痕が見つかっています。

天然痘については唯一WHOが1980年に根絶したと宣言した病でもあります。
もちろんそれは、1796年にジェンナーが種痘を発見した功績の上に成り立っています。
偉人伝には、最初に種痘を摂取したのは、自分の子どもと書かれていますが、
本当は使用人の子どもだったということがわかり、少し残念ではありますが。

一度かかると2回目はかからないために、根絶も可能だったのですね。
世界が一つの目的に向かって心を一つにして協力することで、
根絶が実現しました。

梅毒

この病気は、当初、ルネサンス期にはちょっとかっこいい病気だったのですって。
性病の一つである梅毒は、モテる男、綺麗な女がかかる病気として、
かかった人が少しもてはやされた時期があったとは驚きでした。
もちろんその後、憚られる病気というレッテルに張り替えられました。
西洋で背中が広く空いたイブニングドレスがデザインされたのは、「私は梅毒にかかっていないわよ。背中を見てちょうだい」というアピールをするためだったようです。

梅毒は芥川龍之介の小説、「南京のキリスト」にも描かれていて、未だに芥川自身がかかった体験をもとにして書かれた話だと言われています。
日本でも戦時中には沢山の娘たちが貧困から逃れるために、体を売ることが当たり前のことでした。当然多くの梅毒患者が発生したわけです。
1876年に梅毒取り締まり通達が出された後、娼妓とよばれた彼女たちは、娼妓病院に強制入院させられたそうです。日本では、媒介する職業から、性病は花柳病と呼ばれていました。日本の軍隊の性病対策はコンドームを配ることだったようです。このネーミングが秀逸で、海軍は「突撃一番」「ゴム兜」と呼び、無料で必要なだけ配布していたというので、太っ腹でした。売春を容認しつつ、病気、妊娠を防ごうと考えていたのでしょうね。

当時はWHOのような世界的な機構もなく、呼び方もまちまちだったようです。
イギリス・ドイツはフランス病、フランスはイタリア病・ナポリ病、イタリア・オランダはスペイン病と発生源を擦りつけるようなネーミングに苦笑します。
コロナに関して、トランプ大統領が「中国ウィルス」と呼び続けているのと同じネーミング方法ですね。

梅毒は、梅毒トロポネーマという細菌により、感染します。
梅毒の症状は、3段階
1・潜伏期間、潰瘍、しこりができる  3週間程度
2・発疹、疲労感、頭痛、食欲減退
3・心臓、脳、脊髄等の臓器を侵す

治療に関しては、1928年にフレミングが発見したペニシリンにより初期なら治す効果があるとわかるまでは、色々な対応がされていました。現在世界中で新型コロナに効く薬を探しているのと同じ状況ですね。
樹木の成分から始まり、水銀、ヒ素の治療を経てペニシリンに行き着いたようです。
日本でもペニシリンを治療に使用するようになってから、どんどん患者が減り、2013年にには1228人にまで減少しました。その後また増え始め、2015年には2698人になっているのが気になるところです。

そもそも梅毒は、コロンブスによって世界中にに拡散開始されたと言われています。
その後ロシア軍によって長崎に、輸入されました。人から人に感染する病気は、人が動けばどんどん広がっていきます。コロンブスは、新大陸からジャガイモ、トウモロコシ、トマト、さつまいも、ポインセチア、ブーゲンビリア、タバコのほかに、この細菌を新大陸から持ち出したのです。

現在も、既存の薬がコロナウィルスに効果があるかの実験には、罹患者の協力を得ているかと思います。梅毒についての凄惨な人体実験が行われたということがわかりました。
1件は1940年代にグアテマラの刑務所で1300人の精神病患者を対象にしたものです。梅毒に感染させ、経過を観察するという非人道的な人体実験が、米公衆衛生当局によって行われたのです。この実験に関しては、2010年オバマ大統領が正式に謝罪しています。もう1件も米で行われました。アラバマ州タスキーギという場所で1972年まで、梅毒の症状が進んだ399人に治療をせず放置するという恐ろしい人体実験でした。目的は末期症状の調査という悪魔のようなものだったそうです。家族にも感染し、先天的に梅毒にかかって生まれてくる子供もいたそうです。こちらは、1972年クリントン大統領が謝罪しました。
謝罪をしてもらっても、人生が戻るはずもなく、ご遺族ももどかしい思いをされたことと心が痛みます。

インフルエンザ

スペイン風邪

日本国内での死亡者数も増加している季節性のインフルエンザ。
新型コロナの陰に隠れていますが、侮れない数字が並んでいます。

2016年 1463人 
2017年 2569人 
2018年 3325人 

インフルエンザウィルスを病原とする気道・呼吸器感染症で、
ワクチンは既に存在するが、型が合わないと効果がない等の
理由で毎年多くの方が亡くなっています。

1918年に起こったパンデミック(世界的大流行)の原因は
通称スペインインフルエンザです。
(日本では相撲風邪・スペイン風邪と呼ばれています)
世界が最初に遭遇したインフルエンザパンデミックです。

世界の人口が18億〜20億人と言われていた時に、
死者数は5000万人から1億人と言われています。
全世界の3割程度の人が亡くなったことになります。
この数字は人の死因の中で最短最高の数字と言われています。

人口5500万人だった日本(第日本帝国)での死者数は、39万人と言われ、
アメリカでは50万人が死亡したと記録されています。

日本での感染者数
      感染者   致死率
第1波   2100万人    1.2%
第2波   240万人    5.3%
第3波   22万人          1.7%

第1波は1918年3月に始まり、第2波は同じ年の秋に世界中で流行しました。
第1波が、アメリカで始まり、アメリカ軍のヨーロッパ進軍とともに
5-6月にヨーロッパで拡散し始めました。

戦時中でしたので、戦士の士気を落とさないために
実際の死亡者の数を公表しない国が多い中、
中立国であったスペインは事実を公表していました。
そのため、多数の死者を出した国と認識されて、
国の名前がこのインフルエンザパンデミックにつけられてしまいました。
スペインは後にこのネーミングについて抗議をしましたが、
既に後の祭りだったそうです。

この流行についてナイチンゲールが、
・衛生面の向上
・喚起の重要性
を教え、広めたことで感染が大きく抑えられたということです。

残されている文献によると日本では、
100年前の流行時からマスク着用は予防として
推奨されていて、日光に当たることが良いということも
言われていました。

ワクチンが開発されずに集団感染による
収束を迎えることになりました。

2009年豚インフルエンザの流行

ここで、もう一つのインフルエンザパンデミックの
豚インフルエンザも見てみましょう。

2009年4月、アメリカ・メキシコで単発的に発生しました。
豚から人へのインフルエンザ感染が最初に認められたのは、
1976年米軍陸軍訓練基地内で、19歳の兵士の死後検死により発見されました。
このウィルスに感染するのは、比較的若い年齢層で
小児、高齢者への感染はなかったとされています。

このウィルスに対するワクチンは既に完成しているため、
感染がわかっても強制入院の対象とはなっていません。

感染症がテーマの映画・ドラマ

感染症がテーマの映画

アウトブレイク 1995年 アメリカ

新型コロナウィルスの蔓延を予言したと言われる内容の映画。アメリカ映画らしく、軍隊が蔓延を防ぐために行ったセク線を隠蔽していた。。

コンテイジョン 2011年 アメリカ 主演マット・デイモン

世界中に広がるパンデミックをリアルにサスペンスタッチで描いています。10年前の映画ですが、学校閉鎖をしなかったために、蔓延がより加速することなどを描いていて、現在の新型コロナの蔓延と重複する部分が多く、驚かされます。物資掠奪、医療現場でのパニックなど、見ていて鳥肌が立ちます。

感染列島 2009年 日本

院内感染の恐ろしさを描いた映画。医療従事者の疲弊もリアルに表現されています。

FLU 運命の36時間 2013年 韓国

空気感染・致死率100%の病気が広がる恐怖を描いている。3蜜を防ぐことの大切さを恐怖を持って伝えてくれる。

ワールド・ウォー Z 2013年 アメリカ 主演 ブラッド・ピット

謎のウィルスが原因の感染症ですが、この映画では、世界中がゾンビに埋め尽くされてしまいます。かなりグロいパニックホラー映画です。ゾンビが平気な方へ。ブラピはかっこいいです^^

感染症がテーマのドラマ

・アウトブレイク カナダ 出演 ダスティン・ホフマン

映画と同じくコロナ蔓延の予言をしたと言われている。次から次へと広がるウィルスを止めることができずに奮闘する医療チーム。ワクチンができるまでの人々の恐怖を描いています。

新型コロナウィルスへの各国の対応は様々

今回、私は利権のためでは無く、人の命のために全てを投げ打って
正しい判断をしてくれるリーダーの元にいるのかを考えさせられています。日本では初動のテストの遅れからか感染者の数が爆発的な増加をしていない状況。


どんどん検査を行っている国では、
ベッドが足りなくなり、医療崩壊を起こしているケースも多いようなので、
日本の遅々としたペースもあながち結果オーライなのかもしれないと思っていました。
中でも韓国は、検査数が多く、感染者の数も多い割に死亡率が低いと注目されています。確かに、本当の初期にピシャッと抑え込むことが一番理想的だけれど、
なかなか難しいのが現実です。

検査をして陽性の結果が出て、症状が出ていたらしかるべき処置をしていただく。
症状が出ていなければ自宅待機というのがこのような世界規模の感染症が広まり始めた
フェーズには不可欠でしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました