インナーチャイルドの感情が揺さぶられた時、トリガーを認識するための緊急対応法

癒えていない傷を持つインナーチャイルドの感情が揺さぶられた時はトリガー(感情的な引き金)に気づくチャンスです。

下記は突然の感情の波に襲われた時、自己理解を深めながら安全に対処するために役立つ方法です。

よくあるトリガーの例

  • 無視される・批判される・過度な要求をされる
  • 孤独な状況・権威的な態度・不安を煽られる場面


【ステップ1】「今、トリガーが引かれた」と気づく

  1. 身体のサインに注目
    • 心拍数の上昇・呼吸の乱れ・発汗・胃の緊張など、身体の変化を観察。
    • 「体が反応している=過去の傷が触れられた」と理解する。
  2. 感情の爆発を自覚
    • 急に怒り・悲しみ・恐怖が湧いた時、「これは今の出来事だけの反応ではない」と疑う。

【ステップ2】短時間でできるトリガーの特定

  1. 「何がきっかけか?」を簡潔に振り返る
    • 例: 「相手の言葉?」「特定の状況?(無視された・批判されたなど)」
  2. 過去の類似体験を思い出す
    • 「子どもの頃、同じように感じたことは?」と自問。
    • 例: 「先生に否定されたときと同じ感情だ」と気づく。

【ステップ3】その場で落ち着くテクニック

  1. グラウンディング
    • 「3-3-3法」: 周囲の物体・音・感触などに意識を向け、現在に戻る。

      【3-3-3法の具体的な手順】
      3つのカテゴリに沿って、合計9つの要素に意識を向けます。
      (例:急に不安や怒りが湧き上がった場面を想定)
      1. 「見えるもの」を3つ認識する
      周囲の環境から、目に入るものを3つ選び、詳細に観察。
      例:
      「壁の時計の秒針が動いている」
      「窓の外に飛んでいる鳥」
      「自分の手の甲にあるほくろ」
      2. 「聞こえる音」を3つ認識する
      耳を澄まして、周囲の音に集中。
      例:
      「エアコンの稼働音」
      「遠くで話している人の声」
      「自分の呼吸の音」
      3. 「動かせる体の部分」を3つ動かす
      自分の体の一部を意識的に動かし、現在の身体感覚を取り戻す。
      例:
      「指をグー→パーと開閉する」
      「足の指で床を軽く押す」
      「首をゆっくり回す」

      【効果を高めるコツ】
      ✅ 呼吸と組み合わせる
      → 1つ認識するごとに、深く息を吐く。
      (例: 「時計を見る→ふーっと息を吐く」)
      ✅ できるだけ具体的に描写する
      → 「時計」ではなく「白い丸型の時計で、秒針がカチカチ動いている」と詳細に。
      ✅ 感情が落ち着くまで繰り返す
      → 1周で終わらず、必要ならもう一度。

      【なぜ3-3-3法が効くのか?】
      強い感情(怒り・悲しみ・恐怖)が湧くと、脳は「過去の記憶」と「現在の現実」を混同しがちです。このテクニックは、「視覚・聴覚・体性感覚」を使って前頭葉(理性)を刺激し、「今は安全だ」と脳に伝えることで、感情の暴走を鎮めます。
      「私はもうあの時の子どもではない。今は202X年で、ここは安全な場所だ」
      → インナーチャイルドを安心させる声かけも効果的。

      【応用編】
      移動中や外出先で使う:
      見えるもの→「看板の文字」「信号の色」「歩いている人の靴」
      聞こえる音→「車のエンジン音」「自分の足音」「風の音」
      動かせる部分→「肩を回す」「舌を上あごにつける」「まばたきをする」
      寝る前の不安対策:
      布団の上で「3つの深呼吸→3つ音を聞く→3つ体の部分に意識を向ける」
  2. インナーチャイルドへの声かけ
    • 「大丈夫だよ」「あなたは一人じゃない」と心の中で伝える。

【ステップ4】後で深掘りするためのメモ

  • トリガーとなった出来事と連想した過去の記憶を簡単に記録。
    (例: 「同僚が私の意見を聞かなかった→父が私の話を無視していた」)

【注意点】

  • 緊急時は無理に分析しない: 感情が強すぎる場合は、まず安全確保と鎮静化を優先。
  • トリガーは「チャンス」と捉える: 反応の背景にあるインナーチャイルドの声に気づく機会。

感情の反応は「過去の自分を守るためのアラーム」です。

緊急対応後、時間があるときにインナーチャイルドワークやセラピーで丁寧に向き合うことが癒やしにつながります。