大切な人が自死を選んだら

この現象は全ての人が経験することはできない、とてもとても大きな試練になります。

乗り越えることができる人にしか、与えられない試練です。

乗り越えるためには、悲しみの他に、驚き・怒り・不信などの感情が入り混じる、大変辛い時を過ごす必要があります。

悲しみ

大切な人が自死を選んだら
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また会える別れの悲しさとは違う、触れる体がなくなってしまうという、大きな喪失感を経験します。

亡くなってすぐの日々は、目の前に体が横たわっているのに、目を開けてくれない違和感を強く感じるでしょう。

今にも起き上がりそうなのに、いつまでも動かない。

ここまでは、今までの生活から、聞こえていた声がなくなった、返事がなくなっただけと思いたいかもしれません。

ある日、焼き場に行くことで、実際の身体が骨だけになる。その時やっと、「死」の現実を突きつけられ、理解せざるをえなくなります。

何をみても、今まで一緒に過ごした時間を思い出してしまい、悲しくなってしまうでしょう。

こんなに涙が出るんだ、と思うほどの涙を流すことでしょう。

死を選ぶほど悩んでいたのに、自分に相談してもらえなかったことは、そばにいた身としては大変な無力感に襲われます。

怒り

思い詰めていることを相談してもらえなかったことについては、悲しみだけではなく怒りも感じるでしょう。

読みかけの本をパタンと閉じるように、一人で勝手に人生を終わらせてしまうことができるなんて、許せないでしょう。

そして、金銭問題を残された時には、悲しみよりも怒りが最初に襲ってくるでしょう。ここは、深呼吸して、できることを淡々と片付けるしかありません。怒りも我慢せずに、誰かに聞いてもらいましょう。

この怒りをいつまでも抱え込むのは、心のとって良い影響はないので、できるだけ早く手放して、奥にある悲しみと向き合う段階に移りたいですね。

不信

不信・疑いは愛の対極の感情です。

あるべき愛を感じなくなるほどの不信感を覚えることでしょう。

何故? 何故? 何故? とたくさんの疑問が襲いかかってきます。

一つづつ払いのけていく必要があります。

とても難しく感じるかもしれませんが、ここは、ひたすら疑問を消していきましょう。

明らかにわかること、書き残されたこと以外、亡くなった方の心の奥にあった本当の理由については、考えてもわかりません。憶測で自分を責めるのはやめましょう。

知らなかった事実

亡くなった方の知らなかった面が明るみに出ることもあるでしょう。

自分にとって良い家族の一員だと思っていたのに、そうではなかった。

良い友だと思っていたのに、そうではなかった。

亡くなってから、想像したこともない事実に打ちのめされてしまうことも多いでしょう。

ギャンブル・裏切り・借金などの信じられない事実が次々と表面に出てきます。

全く知らなかった面をたくさん見せつけられてしまいます。

自分の今までの人生の多くの時間は、いったい何だったんだろう。

過ごした時間を全て否定されたように感じ、過去に戻ってやり直せるものならと思い、この選択をした自分に対して怒りを感じるでしょう。

これからは、いったいなにを信じて生きていけば良いのだろう。

高すぎる壁

大切な人が自死を選んだら
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時には悲しみで、時には無力感で、生きていく力がなくなりそうに感じることもあるでしょう。

脱力感に襲われたら、是非プロの力を借りて下さい。

時間に任せていると、壁を乗り越えるのに、長い時間がかかります。

手を取り合い、残された心を少しずつ回復できるように、壁を崩していく必要があります。

涙を止めずに、悲しみを出し切りましょう。

忘れてはいけないことは、宇宙は乗り越えられる壁を、乗り越えることができる人にだけ与えるということです。

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